〈 4月例会のお知らせ 〉
4月11日(土)2時より
法政大学 市ヶ谷キャンパス 外濠校舎5階505
エマソンの「内なる神」のゆくえ
超越主義の変容と東洋思想との対話
講師:髙梨 良夫(長野県立大学名誉教授)
司会:佐久間 みかよ(学習院女子大学)
本講演では、エマソンの「内なる神」(God-within)を中心とする超越主義思想の形成と変容を、朱子学および大乗仏教を中心とする東洋思想との比較を通して再検討し、その現代的意義を考察する。まず『自然論』や「神学部講演」、主要エッセイ、日記などを手がかりに、エマソンが人格神“God”の枠組みを超え、“Over-Soul”という超人格的原理へと向かい、さらに“Godhead”というより根源的で非人格的な「神性」を志向するに至る思想展開を跡づける。その上で朱子学の理と気、太極、格物致知、克己復礼などとの比較を試み、Reasonと理、Over-Soulと太極、Correspondenceと格物致知などの概念上の共鳴と差異を明らかにする。さらに大乗仏教の「如来蔵」、「仏性」、「空」の思想との対照を通じて、東西思想の交差点を形成する可能性を探る。
エマソン思想の現代的意義は、自然および霊的世界との関係の基盤を、人間の「内的空間」に見出した点にある。自然を外在的な対象として把握してきた近現代文明に対し、自然を人間の「魂」の深層で響き合う存在として捉え直すエマソンの試みは、自然と精神の分断を乗り越える可能性を提示している。さらに“Self-Reliance”は、「個人」としての「自立」を説くと同時に、他者や自然存在との間に生命的共感を回復し、相互の連関と依存を模索する「関係的自己」へと展開する側面も持つ。技術・資本・情報のネットワークシステムがグローバルな規模で拡大し、自然環境の破壊、人間社会の孤立・分断が進行する現代において、エマソンの思想は、人間の生のあり方そのものを問い直す課題として、なお我々の前に開かれている。
特別講演終了後、法政大学市ヶ谷キャンパス 外濠校舎5階505
議題:活動、会計報告、委員の交代、その他
2025年度支部総会は、特別講演会場である
法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎5階505にて引き続き開催されます。